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昨年暮れ12月から、世界中のメディアに置いて、オミクロン楽観論が拡散している。また同時にオミクロンから新型コロナパンデミックが終息に向かう希望記事に溢れている。また今度のオミクロンは風邪レベルの社会規制に法改正もすべきとの意見も多い。日本でもインドネシアでもコロナ収束見込の投資も始まっている。

JPモルガンはリポートで「2022年は世界的に完全回復の年となる」と強気な見通しを示した。「新型コロナの世界的な大流行(パンデミック)が終わり、コロナ前の正常な状態に戻る」と予想する。格付け会社フィッチ・レーティングスも「新たなロックダウン(都市封鎖)は20年の事例より短く、深刻ではない」と予測。終息への願いが、オミクロン楽観論の背景にある。オミクロンは風邪であり、スムーズに新型コロナパンデミックが収束に向かうのだろうか?もちろん収束が望ましい。

しかし、個人的に、年が明けても、新型コロナパンデミックの楽観論の根拠となるものが感じられない。まず、オミクロン株が発見された南アフリカはどうだろうか?12月中旬には早くも感染ピークを過ぎたようだが、3週間以上経も過した1月10日になっても、1日の死亡者数がピークを迎えているようには見えない。統計ミスであればいいのだが、本当なら深刻な問題が含まれれている。今後も南アフリカとその周辺国のデータを注視すべきだが、12月下旬に感染ピークアウトしたいくつかの国が、本日1月10日になっても死亡者数がピークアウトしていないのはなぜか?クリスマス休暇の影響や統計ミスや偶然ならいいが、どちらにしても神経質になってよいポイントである。

また高性能なmRNAワクチンを接種している、イギリスや米国であっても、感染は過去最大であり、1日の死亡者数においても「オミクロンは風邪」として、かたずけられるレベルでは全くない。またドイツやフランスにおいても、mRNAワクチンの高接種率にも関わらず、過去最大の感染率と、第〇波として、過去2番目ほどの重症者数と死亡者数に、ごく短期間に達する可能性が高い。少なくともドイツやフランスにおいては過去最大級の危機として捉えられ始めている。mRNAワクチンの高接種率とファクターXに守られている日本であっても、医療崩壊の対応が楽観論によって損なわれている。

先進国メディアでは12月、オミクロン株楽観論の嵐であり、風邪程度の軽症から無症状が多いとの記事で席巻されている。英国株、デルタ株発生後にも、なんども楽観論がメディアを席巻したが、またもやオミクロン変異株でも楽観論が拡散されている。オミクロン株の病原性は、デルタ株より弱く、一般的なインフルエンザより高いことが、各国の重症化率と死亡率から理解できる。しかし、悪性インフルエンザ以上の病原性をもった疫病が、極めてハイレベルな感染速度であり、たった数ヶ月で世界に蔓延しつつある。悪性のインフルエンザの香港風邪が、数ヶ月で世界中に拡散することは楽観できる現象であるか?(今後も変異が予測される香港風邪が短期間に世界流行する・・・風邪やインフルエンザの流行ではない、ワクチン未接種者の重症化率に注目すべき、mRNAワクチンの世界的接種には時間が掛かる)

mRNAワクチン接種が低レベルな地域であり、社会規制や生活予防が難しい、インドやインドネシアは要注意である。アジア地域は欧米に比べ、日本同様にXファクターに守られているとも言えるが、mRNAワクチンの接種率の低さだけでも、重症化や死亡者数の増加リスクが高いと言える。インドやインドネシアなどの途上国・新興国地域においては、またしても医療崩壊、死亡者数増加、ロックダウンも想定すべきタイミングと思える。

昨年12月初旬、mRNAワクチン接種が低レベルなロシアは、過去の死亡者数ピークを迎えた。中国はこの1月、過去最大のロックダウンが全土で拡大し、入院患者も過去最大となる見込みである。米国もこの1月、過去最大の入院患者が発生する見込みであり、ニューヨークでは、また1日数百人単位の死亡者と重症者が、2020年以来再び増加中である。途上国・新興国にmRNAワクチン接種70%以上で可能な地域は、2022年にはごく一部に限定される。このようなパンデミック世界情勢にオミクロン楽観論が拡散中である。(今後の変異による病原性の一貫した低下傾向は1つの仮説にすぎない)

2022年に入りザックリ観た限りでも、欧米の疫病や免疫や医療などの研究論文では「今後何年でパンデミックが終息ではなく、収束するか?」の見通し予測に、1年から3年で収束(風邪からインフルエンザ程度の季節地域性の流行へ移行)の可能性、と言及している専門研究者が多いと感じた。また一部はmRNAワクチンの大規模接種の繰り返しによって、回避的変異から長期化につながり、長期(5年以上)に渡り収束しない、と考える研究者もある(病原性回復の可能性)よって2022年中に新型コロナパンデミックが収束することは、かなり幸運であると考えられる。


1月10日追伸
途上国や新興国(低所得国・中所得国)は、mRNAワクチンの接種が現状低レベルである。よってこの地域、特にインドやインドネシアなど、過去に大きな被害を出した国や地域はmRNAワクチンを接種するタイミングと考える。非mRNAワクチンを接種している場合、ブースター以降の接種はmRNAワクチンを接種に切り替えていくこと。オミクロン株以降も途上国や新興国の重要コロナ対策と考える。


1月12日追伸
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=4582586361864784&id=100003403973006
上記宮坂氏のFBにおいて、宮坂昌之氏と鈴木貞夫氏の会話の中にて・・・アフリカでも,南アやナミビアでは,このところ死亡者数が増加しています.感染爆発にに後発して死亡が増えるのは,今までも観察されています・・・・はいそうですね。さらに、南アでは感染者も再び増え始めていますね。
上記の会話は、南アフリカと周辺国でオミクロンを神経質に観察する必要があることが語られている。また、オミクロン株による、重症者と死亡者の増加が語られはじめている。自身も全く同じ認識である、不謹慎にも嬉しく感じ、少しほっとした。世界中のオミクロン観察者は、アフリカ南部各国で起こっている、感染ピークと死亡者数のタイムラグ(ズレ)に大きな意味を感じ始めているはずである。オミクロン楽観論から、突然の悲観論が顕在化してしまう兆候が若干感じられるからだ。


グーグルのCOVID19感染予測(日本版)は、このタイミングで2月10日以降のデータ更新を停止。
最近のデータにおいて、2月に日本の死亡者数が過去最大の予測は、グーグルのAIが外しても、適当であっても確認する必要がある。


菅原秀明氏によるグーグル感染予測(日本版)ブログ見解


南アフリカ由来変異株オミクロン (B.1.1.529系統)をめぐる状況


※長期(5年以上)に渡り収束しない、と考える研究者の談。一部ではオミクロン株の拡散がピークを迎えた後、新型コロナがエンデミック(風土病)に進むだろうという見方も出ている。世界各地でデルタ株に取って代わって優勢株になったオミクロン株の重篤度がデルタよりも低いという理由からだ。だが、ポーランド博士は「私たちはまだ風土病を予測できる段階に至っていない」と話した。また、新型コロナが「(風土病である)はしかが歩んだ道をたどることになる日は来るか」という質問には「そのような日は来ない。コロナウイルスは根絶されない」と答えた。別の専門家もポーランド博士の予想と変わらない。これに先立って、米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は「オミクロン株以降、免疫システムを避けるまた別の変異株が現れない場合に限り新型コロナは風土病に転換されうる」と話した。



1月26日追伸
1月10日、このブログでのオミクロン楽観論批判と、突然の悲観論が顕在化してしまう兆候を指摘したが、残念ながら顕在化する可能性が高まっている。1月10日にも米英の一部の研究者からはアフリカ南部における兆候の危険は示唆されていたが、政府やメディアには反映されず、楽観論を維持。米国CDCは完全に失策であり敗北を認められずレイムダックCDCファウチが確定してしまった。アフリカ南部各国のデータによって、1月初旬にも、オミクロン株が感染ピークアウトから、2週間程度で死者数のピークアウトもあらわれる前提であったが、4週間が経過しても死者数がピークアウトしていないのだから、1月初旬には欧米に危機感があれば回避準備ができたタイミングである。現在5-6週間が経過しても死者数がピークアウトしているように見えない。この兆候が米国やヨーロッパにも表れつつあり、イギリスも感染ピークから2週間経過しても死者のピークには見えず、ニューヨークでも感染ピークから17日経過しても死者数のピークには見えない。これは一大事であり、オミクロン株か新変異か詳細は不明だが、なんらかの原因で感染ピークアウトから死亡者数のピークアウトまで2週間の想定は破られ、5週間以上死亡者数がピークアウトしない危機が、データで示されつつある。このままでは世界各地でデルタの被害を超えてしまう地域が多発してしまう。日本も同様である。2月以降世界は過去最大のコロナ死亡者数が発生する可能性がある。12月から世界中でオミクロン楽観論を提唱した学者や政治家は謙虚に2月を注視するしかない。ここからは陰謀論的な要素も入ってしまうが、2月に世界は過去最悪のコロナ被害に至り、2月に北京オリンピックが開催され、2月にロシアのウクライナ侵攻も予測され、2月に金融のジェットコースターも予測される。米国や英国は国内に社会危機も予測される。偶然かもしれないが2月に危機が集中しすぎている気がする。世界的なオミクロン楽観論から一転、2月にはコロナ禍が世界的に、かつ世界同時にコロナ禍被害ピークを迎えるだけでも何が起こるかわからない。2月は人為災害の連鎖に注意すべき不気味なタイミングと感じて当然の状況とも思える。


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