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【コロナショックからの三大危機】

1 新型コロナウイルス問題

2 恐慌問題

3 安全保障問題(戦争 治安 飢餓など)

近代(近世)の入口に14世紀ヨーロッパの黒死病(ペスト)があった。反対の表現では黒死病は中世を終焉させた、と言える。恐慌や戦争などのコンセプトより、遥かに巨大な破壊をもたらした黒死病。第2次世界大戦の参加国の国民に対する死亡被害者数は平均3-4%程度と推計されているが、14世紀の黒死病はヨーロッパ全体で30%程度の死亡率、イギリス、フランスに至っては50%程度以上の死亡率で全滅した街や地域が多くあった。恐慌や戦争すら小さな被害に見えてしまう桁外れの破壊者14世紀の疫病(ペスト)は、中世から近世(近代)に向かう転換点だったと考えられている。ペストによって封建領主や教会の支配が崩壊し、中央集権国家へ、ルネサンス(人間中心主義)によって産業革命やフランス革命の近代の礎が始まった。

黒死病はヨーロッパでは数十年間の長期に及び(世界的には100年間)、社会システムを壊していったが、今回の新型コロナウイルスは、たった数ヶ月で全世界地域の人やモノをストップさせ、都市のロックダウンを引き起こし、経済活動を停止させ、40憶以上の人類を自宅に留まらせ、数千兆円単位の天文学的な損失を引き起こし、短期間にすでに、全く収集不能な経済が発生し、とりあえず多くの国家が国民にお金や食べ物を配り始めた。新型コロナウイルスの影響は今後数年に渡って世界中の経済・政治システムを崩壊させていく。黒死病と一概に比較できないが、多くの視点から14世紀の黒死病(ペスト)が引き起こした、中世から近代の世界史的大変化が引き起こされる可能性がある(14世紀ペストは世界で8000万人から一億人の死者を出したが、今回の新型コロナによってはじまる恐慌・戦争などの混乱はどれほどの死者を出すか?)新型コロナによって恐慌や戦争が引き起こされるだけではなく、今後はじまる大変化は近代から次の新時代の社会システムや価値観が待ち構えているかもしれない。

現在は2020年の5月だが、すでに日本を含む多くの国家は、今後、財政出動で個人や事業体に現金を配っている。今後も国民に現金を配ることと、ニューディール政策のような国家プロジェクトが必要になる。すでに今後の世界は、新自由主義的な小さな政府から大きな政府への道がスタートしている。

世界中の国家が大きな政府へ、全体主義的傾向は避けられない、さらに多くの国家ではファシズムに近い党や独裁者も出現する。新型コロナ発生前から、米国のトランプ、英国のジョンソン、中国の習近平、ロシアのプーチン、アジアでも南米でも民主主義の範囲内によって独裁的手法に近い政治指導者が多く出現している。アフターコロナ(ポストコロナ)の世界では、日本を含む多くの国家が全体主義的な傾向が現れる。その中からファシズムや独裁者も出現することは、容易く予測できる(国民の支持で)

14世紀の黒死病の最中は戦争が中断された。また第一次世界大戦の終盤にスペイン風邪は戦争終結の要素となった。また恐慌中は戦争が起きにくい。「疫病のパンデミックや世界的な恐慌下では戦争勃発や継続ができにないのかもしれない」むしろ疫病や恐慌から立ち直るプロセスで戦争に突入する印象がある。第2次世界大戦前の米国、日本、ドイツは世界恐慌や昭和恐慌や、破綻寸前の経済から、それぞれ最悪の状態を脱してから戦争は起こった。この印象が当たっているなら、現在のコロナウイルスのあと、世界中で恐慌、そこから世界各国が最悪期を脱したあとの成長プロセスで戦争が予測されるのかもしれない。全く別件ですが、戦国時代に雪深い領主同士の戦は「春の雪解けをまって再び陣を張ろう」という場面が多いのですが、何をゆうちょうに?積雪の作戦を、と思っていましたが、実際に積雪があると、戦争が全くできない状態になるのかもしれません。現代においても「恐慌」や「疫病」は国民も意気消沈して戦争の気運が盛り上がらず、軍隊も、今回の米軍艦隊の各空母も感染でお休みしています。これは決して悠長なことではなく、戦争が継続・勃発できない状況はありそうです。(ちなみに第一次世界大戦直前も各国は恐慌状態ではありませんでした。)恐慌や疫病と戦争はタイムラグがありそうです。どうやら戦争はある程度元気がないとできないようです。

日本を含め各国は、現在のロックダウンの解除の穏やかな深刻度とは違い、2020年の秋冬には膨大な数の失業者と大企業や銀行の破綻のニュースがが繰り返され、本格的な金融破綻を待構えている状態かもしれません。大きな政府で、社会主義的政策を導入していかないと失業率が下がらないので、国家の財政出動で都道府県や市町村が特別公務員として、失業者を百万人単位で雇用する方法もあります。東京のカラオケボックスで勤務していたが、住所が横浜なので、11月から横浜市役所に臨時職員として勤務する。

失業率が20-30%の大混乱に至る前に、多くの失業を防ぎます。形は何でもいいのですが、財政出動で公共事業ができるチャンスでもあるので、農業や建設分野もプロジェクトはもとより「どんな国にしたいか?」によって国家プロジェクト内容は違ってくるはずで、緊急の現金給付から特別公務員などの形からスタートして、財政の健全化や緊縮財政で、破綻寸前の行政を立て直し可能と思われます。これは大きい政府の方向です。日本の人口減少の問題も、こんなスピードで落ちるのはおかしいので、まずは減少率を緩やかにして、長期戦略が立てられれば、すぐ増加しなくとも経済復活のネックとなる理由にはなりません。

2021年以降、日本をはじめ世界中で倒産危機に陥る大企業や銀行の実質国有化がはじまる。国有化されくても、財政出動や政府機関の支援によって多くのゾンビ企業が急増する。それでも、コロナショック直後は国家による供給サイドの救済しかありえない。日本ばかりでなく世界中がゾンビ企業・銀行が増加し、全体主義や実質社会主義的国家が多く表れる。個人や企業救済のための大きな潮流となる。国際機関や民間企業や個人の力は小さくなっていき、国家の力のみが増進して行く。余裕がなく、なんとなく楽しくなさそうな感じですが・・・楽しいことは何?から、生きるためには?社会テーマが深刻化して行くので仕方なさそうです。14世紀の黒死病の社会でも「デカメロン」を書いたジョヴァンニ・ボッカッチョのごとくペストで疎開最中でも、人々を楽しませようとする精神も発達していたようなので、一概に暗い生活ばかりではないようです。どんな時代でも「笑い」や「恋愛」は一貫したテーマであるようです。

好むと好まざるとに関わらず、大きな政府や全体主義的国家の方向は肯定するしかありません(失業率30%の状況に、自己責任ですから国は知りません、と小さな政府を継続すれば破滅です)一旦は新自由主義的でグローバリズムな経済観は終了させ、大きな政府の経済観で仕切りなおすしかありません。日本も多くの国も大混乱を経て、進んで全体主義的な政府を国民が要望する方向だと思われます。個人の自由や人権は実質的には議論される余地なく、全体主義が浸透し、恐慌の回復プロセスでは、一部地域ではファシズムや独裁者の出現は予測されます。

2021年以降、突然、世界に多く、大きな政府や全体主義や出現することは、よい予感がするはずはありません。米中戦争に、各国の大きな政府がグループ分け(陣営)要因になるからです。大きな政府は大きな決断が可能となる。

日本がロシアを敵国と国民に周知してから日露戦争まで10年。世界恐慌から第二次世界大戦まで10年。かなりのタイムラグがあったようです。単純にこの法則を新型コロナからに当てはめると2030年に戦争スタートですが、いずれにしても世界各国が新型コロナを収束させ、恐慌を収束させ、再び成長をしているプロセスで、各国が拡張をし元気を取り戻しているときに、戦争がスタートするかもしれません。2年後か10年後かはわかりません。

ポストモダン社会というと漠然として世界観も価値観も予測できませんが、現在、日本国が置かれている立場は、米中陣営に分かれ、戦争準備が始まる前に、極めて危うい立場。軍事的には米国、経済的は中国で習近平氏を国賓に・・・・米国は2018年にはペンス演説で事実上の宣戦布告で米国式超限戦をスタートした。貿易、関税、現在は新型コロナの責任追及、東アジアの軍事戦略を本格的に、海兵隊だけでなく陸軍を参画させ、日本、台湾、フィリピンやグアムに、中距離弾道ミサイル持ち込みと配備を進めている。直接、中国周辺に攻撃体制を整えている。仮に中国が先制のICBM核弾頭ミサイル攻撃をしても、米国本土に弾道ミサイルが着弾する前に、中国に先に弾道ミサイルを着弾させる。米国へ向けられたICBMは多くを打ち落とす。米国は中国周辺を核弾頭で包囲するつもりだ。米国の理想はソビエト連邦のように準備だけして戦わずして勝つこと。もし戦争になっても負けない準備は進めている。中国が米国の覇権を脅かすうちは戦争準備は中断しない。日本は時間の問題で巻き込まれる。

日本が軍事は米国、経済は中国で、政治は両天秤であり、どちらにも良い顔であったが、今後は中国か米国かに態度を明確にしなければならないタイミングが近い。米中戦争の代理戦争が東アジアで勃発する可能性が高いからだ。台湾で有事が発生した際に、そのタイミングで中国の代表を国賓で招くか?米国は政治的にも、中国との距離を求めてくる。日本は米ソ冷戦のよい待遇が始まったのではなく、米中の政治的にも地理的にも中間にある日本はどちらかの国家と距離を取る準備が必要だ。コロナショックと恐慌に、さらに貿易先1位2位の大国のどちらか1国を敵にしなければならない。日本が空気が読めない、読めないふりをしても、米国は日本に決断を求めてくる。日本は経済的にさらに深刻な負荷が発生する。

大きな政府や全体主義の時代に突入するとき、民主主義によって成立する独裁者について。この独裁者を否定したら民主主義の否定となる。また独裁者が決定的に否定される行為とは何か?ナポレオンはよいイメージでヒトラーは悪か?大虐殺ならソビエト連邦のスターリン、中国の毛沢東、米国の日本民間人大虐殺、そもそも植民地時代のヨーロッパ列強は商売のための大虐殺の歴史、毛沢東は1000万から4000万の桁外れの死者を築いたが、中国共産党の創始者として、国家や国民に尊敬の対象としている・・・・

本質的にナチスヒトラーが悪の象徴となっているのは「敗者」以外ない。勝者の犯罪は問題にならず、敗者の犯罪のみが流布される。勝てば官軍。これ以外に違いを見いだせなかった。独裁者であっても勝者となれば、犯罪者ではなく英雄となっている。独裁者や独裁者が現れる環境は当然好ましいものではないが、時代は生活のレベルで国民がギリギリの判断から全体主義に傾いていく中で、独裁者の出現をすべての政策に優先して嫌悪をする態度は、2度の世界大戦の歴史から表層しか捉えていなかったのではないか、とも思える。全体主義や独裁者は決して好ましいものではないが、それらを頭から否定するものは、具体的な別手段を提案して頂きたい。表層しか捉えていない者は提案はできないが、とにかく全体主義や独裁者を否定するだけだろう。

好ましくはないが、とりあえず大きな政府や全体主義的傾向を全否定しては、この歴史的国難を回避することはできない。戦後70年間の矛盾に満ちた「政治」は2020年に音を立てて崩れる。また同時に政治を適正化するチャンス到来とも言える。世界各国でアフターコロナは、政治経済システムの再構築がはじまる。新型コロナから恐慌、戦争、飢餓など世界的な多くの死者こそが、近代を次の時代に導いて行く。14世紀黒死病のヨーロッパ同様に。全く新しい価値や社会システムが多く発生して行く。新しい世界を観たい人々にとってはこの上ない時代がはじまる。黒死病(ペスト)から死の恐怖に、長期間、脅かされ絶望した人々によって、やがてルネサンスが開花し近代がスタートする。恐怖と混乱と悲しみの絶望的な時代だからこそ、生き残った人々は古い価値を捨て、新しい価値を求めて行ったに違いない。アフターコロナも大混乱や絶望と同時に、新しい価値を求める人々が現れるに違いありません。