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■米シカゴ大のジョン・ミアシャイマー
教授に朝日新聞がタイムリーなインタビューを行った。米中戦争は米中経済相互依存や大統領選挙結果やトゥキディデスの罠75%などに左右されず開戦の可能性は高い。http://balichili3.blogo.jp/archives/7037822.html 先日ブログの最終部分にて、米中開戦後、中国は局地戦敗北を認められず「ニュークリアブラックメール」へ、と書きましたが、ジョン・ミアシャイマーも同様の懸念を表明しており、海上に威嚇発射するような限定的な核兵器使用を予測していました。

北朝鮮のように「核兵器を使うぞ、使うぞ」から一歩踏み込んだ、海上などに威嚇使用してしまう「ニュークリアブラックメール」を想定しています。確かに実際に海上に核攻撃をすれば米国も同盟国も世界中の人々が恐怖し、最大限の本番核使用の脅迫となります。

ジョン・ミアシャイマーは『限定的な核戦争』という表現を今回していますが、米国が先制の威嚇核攻撃するのはわかりますが、逆に中国が劣勢を挽回するために海上に脅迫の核攻撃を行った場合、米国も世界も恐怖することは確かですが、米国はその核脅迫のあと、脅迫のために攻撃を譲歩・緩和するのでしょうか?

米国はさらに巨大な核威嚇使用や本格的な核攻撃を検討する可能もあり、米中の大きな損失覚悟の相互核戦争や、基地のある韓国や日本核攻撃され、インド、ロシアも安全保障上巻き込まれ、連鎖的な全面核戦争に発展する可能性もあります。

この「ニュークリアブラックメール」や「海上に威嚇核攻撃」は【限定的】で済めばよいのですが、限定的である保障はなく、むしろキューバ危機のエスカレーションを参考にすべきですが、ミアシャイマーは日本のメディアのインタビューでもあるので、米国と中国の核弾頭や能力に差がある表現をしていますが、中国の弾道ミサイルと核だけで、米国や日本や台湾やオーストラリアなどにどれだけ大きな被害をもたらすか言及していません。

中国が「ニュークリアブラックメール」や「海上に威嚇核攻撃」を行った時点で、第2キューバ危機の発生であり、関係国をはじめ人類規模で取り返しのつかない状態であることが表現させていません。米中戦争は日本にとっても極めて大きいリスクをもつ戦争なのです。また中国が行為・発言などなんらかの「ニュークリアブラックメール」を行った場合、実は米国も窮地に立たされます。米国はシュミレーションしているので、先制の「ニュークリアブラックメール」は米国からの可能性が高いのではないでしょうか?

いずれにしても両国の「ニュークリアブラックメール」によって日本が安全である保障は全くありません。また最後に日本は核以外の中距離弾道ミサイルなどの早急の配備をすすめていますが、中国へのリアルな戦争準備であり、米国の安全保障は東・南アジア地域で中距離ミサイルの配備こそが全面戦争の主要準備であり、向こう数年だけでも大規模な配備を進めていくはずです。

いずれにしても日本は場当たり的な対応から、米中戦争への戦略的対応をするときが近くなりました。日本が態度を決めなければ米国や中国の国益による圧力が強まっていきます。これは日本の歴史的な舵取りとなるはずです。

 

■以下、米シカゴ大のジョン・ミアシャイマー教授に朝日新聞のインタビューの一部

 

――コロナ禍が米中対立の激化の原因になっているという見方もあります

 「コロナやイデオロギー対立は重要な要素ではありません。中国が台頭し、強国になったことが問題なのです。米中両国間の力関係が変化して利害がぶつかるようになり、競争が激しくなっているのです」

 

 ――米中は経済や人の交流が進み、衝突に至る可能性は高くないという見方があります

 「第1次世界大戦前にも欧州では経済的な相互依存が深まっているので戦争は起こらない、と多くの専門家は分析していました。それにもかかわらず、大戦は起きました。安全保障の対立が激化すると、経済協力が崩れることは歴史が証明しています。しかも今の米中関係は、華為技術(ファーウェイ)に対する米国への制裁のように、経済面での対立も強まっています」

 ――中国軍高官はかつて、米中が太平洋で勢力圏を分割する考えを米側に提案したことがありました。米国が将来、中国によるアジア支配を認める可能性はないのでしょうか。

 「米国が他国と権力を共有することはありません。これまでも、地域の覇権国になろうとした日本やドイツ、ソ連と戦ってきました。仮に中国がアジアで覇権を握ることを許せば、中南米や欧州への関与を強めていくでしょう。こうした事態を防ぐために、米国は中国の封じ込めを進めているのです」

 ――米中の対立は今後、冷戦期の米国とソ連のようになるのでしょうか。

 「冷戦期は、数千もの核兵器を持った強大な米ソの軍隊が欧州で対峙(たいじ)しており、全面戦争が起こる可能性は高くありませんでした。米中間で衝突が起こりうる場所は、南シナ海、台湾、東シナ海と3カ所あり、可能性は冷戦期よりも高い。中国は旧ソ連のように世界を破滅させるほどの核兵器を持っておらず、核抑止が機能しないからです」

 ――しかし、米中は共に核保有国であり、同盟国も米国の「核の傘」によって守られているので、戦争に発展する可能性はそれほど高くないのではないでしょうか。

 「私はそう思いません。中国側の戦況が不利になったり、米国が東アジアにおける軍事的関与を失ったりした場合、核兵器が使われる可能性が高まると予測しています。本土を直接攻撃するのではなく、海に威嚇発射するような『限定的な核戦争』が起きることを心配しています。米ソ間とは異なり、中国と、米国の同盟国との間の軍事バランスが均衡していないからです」

 ――米国はトランプ政権になって対中政策が強硬になったのですか

 「それは違います。オバマ政権の時から対中政策は強硬になっていました。11年、当時のクリントン国務長官が『リバランス(均衡の再調整)』と呼ばれるアジア重視戦略を打ち出したのが転換点でしょう。米国として中国との関係に問題があることを認め、封じ込めに動き出す内容でした」

 ――トランプ政権の対中政策をどう見ますか

 「トランプ大統領が、中国を封じこめる行動を起こしたことは正しかったと言えます。しかも、軍事面だけではなく経済面でも中国に圧力をかけることが重要であることをしっかりと理解しているようです」

 ――しかし、成果を出せているとは言えません

 「最大の問題は、米国が日本や韓国などの同盟国を敵視したことです。中国封じ込めのためには米国が指導力を発揮する必要があります。民主党のバイデン前副大統領が大統領選で勝てば、同盟国との関係は修復されるでしょう」

 ――バイデン氏は、対中強硬政策を見直すのではないのでしょうか

 「民主党政権になっても、対中封じ込めが緩むことはないでしょう。中国側もそのことを理解しています。昨年10月に訪中した際、中国の外交当局者が『大統領選の結果は米中関係に重要ではない。いずれの政権も中国に銃を突きつけてくるだろう』と話していたのが印象的でした」

※朝日新聞のジャーナリストがミアシャイマーのインタビュー記事を掲載するほど、米中戦争が近いと感じはじめた証拠で、戦争は国内の主義主張など超越する一大事だ。朝日新聞は戦前戦中の主義主張からGHQ指導の180度主義主張の転換があった。今度は日本主権の確立ために主義主張の転換がはじまってもよい。メディアはジャーナリストが支える生き物だからだ。