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【平時の希望、乱世の希望、個人も国家にも新しい希望が必要となる】

 

この100年程度で3回目の世界大戦の土壌が広がっていると仮定すれば、過去数千年の戦争で最も参考になるのは、当然だが過去2回の世界大戦だ。過去2回の世界大戦を単純化すれば、両方ともドイツがチャレンジャーであり、周辺国(イギリス、フランス、ロシア、アメリカ)などに抑え込まれた構造だ。3回目を予測すれば、はじめてドイツがチャレンジャーではなく、中国がチャレンジャーとなる。過去2回の大戦もドイツと周辺グループの経済力や軍事力は、いずれもチャレンジャーが経済力・軍事力が不利だったが、始まった戦争だ。現在の中国グループ予測を中国、イラン、ロシア、を米国グループの米国、台湾、オーストラリア、イギリス、カナダ、日本、EUの大部分、インド、イスラエル、サウジアラビアなど近年に戦争がはじまれば、やはりチャレンジャーである中国グループが、経済力、軍事力ともに不利である。

米中戦争が2020年代など早い段階で勃発すれば米国が勝利する可能性が高い。戦争が先に延びるほど中国に有利になる。中国と米国の経済力や社会体制がこのまま反比例していく予測では、2030年代では米国は中国に戦線布告が極めて難しくなってしまう。中国は経済力で米国により近くに成長でも差が開き、成長地域の中東やアフリカ、アジアにより影響力が高まり、デジタル人民元などで基軸通貨の可能性が現実化していけば、2020年代後半にも経済の世界覇権が予測されて行くと、軍事力の逆転も時間の問題になってしまう、2030年代に追いつかなくても、米国は中国に対して武力戦争を計画できなくる。米国が本格的な戦争を中国に対して起こせなくなれば、いずれ米国が日本や台湾など東アジアから撤退しる日が予測されてしまう。中国が世界覇権の前に東アジアや南シナ海の覇権が確立されてしまう。

11月に米国の大統領選挙が行われるが、どちらが勝利するにしても、社会分断や国内グループの対立が顕在化し、米国はさらに混乱し、国内問題が深刻化することが予測される。米国内の混乱や絶望は国際社会にとって米中冷戦にとって大変危険である。米国の内政から目を離してはいけない。

学者はトゥキディデスの罠で覇権国家は75%の確立で覇権戦争に発展すると言及する。2020年現在、最も危険なのは経済覇権は時間も問題で中国に流れており、武力行使も2030年を過ぎれば米国は中国に戦争を仕掛けられなくなって行き、「米国が覇権国家を維持したい場合、2020年代の早い段階で米国グループの形成より、中国に武力行使をはじめる。これ以外に2030年代以降、米国覇権を維持する方法はない」これらの論拠として2020年代前半なら、米国軍事力は通常兵力、核兵力など全面戦争において勝利できる可能性が高いからだ。

米中戦争や第三次世界大戦に関しては、実はいイニシアチブを握っているのは米国だ。単純化すれば2020年代に世界覇権を維持したい意志があれば米中戦争に至り、世界覇権を諦めてもよいイメージなら2020年代に結局のところ米国が軍事攻撃を避ければ戦争は発生しない可能性が高い。前者では第三次世界大戦に発展し想定外の死者や被害が発生するかもしれず、後者では2030年を過ぎれば中国の世界覇権が既成事実化され、共有認識され、繰り返しニュースとなり、よりはっきりした覇権国家になって行く。

2次世界大戦前の世界恐慌は1929年にアメリカの株価の大暴落が発生したが、米国では1年後の1930年秋には、何度も繰り返していた不況であり、市民も国家も「特別な危機感」があったわけではなかった。1933年にはかなり深刻な大不況と感じられはじめた。ルーズベルト就任後、恐慌が収束し、また恐慌に陥ったりしたが、大不況は収束させ成長が再びはじまっていた空気であり、ドイツや日本もひどい大不況や恐慌を経験するが、1930年代中・後半には、経済は再び成長路線に乗っていた。1929年の株大暴落から大不況や恐慌を抜け出し、先進国では成長が再びはじまっていた、そんなタイミングの1939年に第2次世界大戦が勃発した。

第一次世界大戦も同様に大不況や恐慌の最中だったのではなく比較的、各国が成長を始めていた背景の1914年に第一次世界大戦が勃発している。

2020年は新型コロナウイルスの世界的パンデミックによって、世界同時の大不況や恐慌前夜のような経済になっており、今後もどうなるか予測できないが、中国のみ吐出して2021年は8%成長を予測されている。いずれ2020年代の中盤か後半には、各国が成長に転ずることも予測される。過去2回の大戦を観れば、今後、中国、米国、ヨーロッパ、日本などの経済国が成長軌道に乗ってきたあとに、大戦が勃発する可能性がある。1929年の恐慌突入から第2次世界大戦まで約10年。単純に比較できないが、新型コロナウイルスの世界経済大打撃からの先進国などの回復基調のタイミングには紛争や戦争から米中戦争や世界大戦への発展にはフォーカスすべき。コロナ後の中国経済の圧倒的発展と今後の米国混乱は対照的であり、明らかに危険。中国は経済力によって世界覇権がより近くに、米国は衰退が加速され、米国が覇権を政府、議会、国民などであきらめる方向だけが戦争回避であり、米国が覇権にこだわるなら2020年代に米中戦争(できるだけ早い段階)に発展することが、米国覇権維持の唯一の手段。

トゥキディデスの罠が75%で米中戦争を予測するなら、米国がこのままの衰退でソビエト連邦のごとく、自滅して国家が消えてしまえば問題はないが、とてもそのようには観えず、11月以降、米国内の分断と混乱は深刻化、過激化する可能性が高い。国内問題を海外のスケープゴードに向けるの想定内の事態であり、米国がこれ以上の大混乱に至った際は、国内混乱を沈めていく方法は少ない。もし大混乱が恒常的に発生してしまう社会に米国が陥った際、方向は2つ。①ソビエト連邦にように崩壊もくは内戦②国内の武力闘争による鎮圧と中国と戦争

他にもストーリーはあるが、これ以上の混乱は世界にとっては、まちがいなくロクなことにならない。戦間期のドイツのように経済的打撃と大混乱で収拾がつかなくなった場合は、強い暴力的な政治力で国内を安定させるしかない、できなければ国家が分裂や崩壊するだけ、フランス革命後の混乱でも結局、理想政治ではなくナポレオンの暴力が国内を安定させるしかなかった。ドイツヒトラーもフランスナポレオンもその後、海外に進んで行く。米国がこれ以上の混乱に陥ることを恐れているのは中国であり、米国がソ連のようにおとなしく崩壊してくれれば一番いいが、国内混乱から米国に強権政治への発展も予測しているはずだ。そうなればスケープゴードは中国しかないからだ。11月の大統領選挙はどちらが勝つか、という視点より優先して、「どの程度の米国内混乱に発展するか?」がある。恐慌や新型コロナウイルスなどの経済危機のあとには、経済再発展段階で注意を払うべきなのに、米国の混乱が拡大して行くことは①②の方向が想定され、おとなしく崩壊しない場合②の可能性が高まり、トゥキディデスの罠が75%から85%や95%に確率が上昇していくイメージを持たざるえない。

これほど高い可能性で米中戦争の可能性を予測できるはずだが、米国大統領選挙の各国のメディア報道はトランプとバイデン候補の勝利予測に終始している。大統領選挙が勝敗とは別にこれほど大きい意味をもったことは初めてに違いない。民主党、共和党や選挙資金とは別に、米国民の対立や直接手的な行動が歴史的な意味をもつ選挙と選挙後の米国内の混乱こそ、当面の米中戦争の行方が掛かっている。米国内政が落ち着いて行くと仮定しても、戦争リスクは世界的に上昇していく。また米国が混乱して行くことや、米中戦争に移行することは日本にとって最悪のリスクである。

2つの世界大戦は「まさか」で始まった。恐らく次の世界大戦も「まさか」ではじまる可能性が高い。一地域ではじまった小さな紛争が短期間にグループ化され、瞬く間に世界中に広がるエスカレーションが起こる。次回も中国周辺か、中東かヨーロッパでの小さな紛争が激化しグループ化し、米中戦争の本丸へと繋がっていくことが想定されるが(もしくは逆)世界中を巻き込んだ、ここ100年程で3回目の世界大戦の可能性は高まっている。過去2回のチャレンジャーのドイツでなく、次のチャレンジャーは中国だ。中国はあくまで、最後の最期まで本質的に戦争は回避してくるはずである。今後、「2020年代に形成される米国の意思」こそが、米中戦争と第三次世界大戦の有無を決定する。米国は世界覇権を維持するのか、諦めるのか?維持したいなら早い段階で戦争を始めなければならない。

米国は20世紀初頭から覇権国家として、ドイツ、日本、ソビエト連邦、反米中東国家、中国など、世界中どの地域であろうと、軍事的、経済力、覇権を脅かす国家は徹底して許さない、共存を拒否してきた特質をもつ。習近平は10年前より、米国と中国による世界2分割案を提案してきたが、現在までかたくなに拒否している。日本が80年代に米国の経済力のみ脅かした際には、90年代以降キッチリ、経済力を米国に追いつかない政策を推し進め抑え込みに成功している。軍事力、経済力、どちらを凌駕されても覇権を失うからだ。よって現代の中国の経済力と軍事力は米国にとって覇権に関わる事態であり、オバマ政権のころから中東からアジアへの軍事力シフトは始まっていた。経済面でも、関税や貿易、金融分野に及ぼうとする経済摩擦は、中国企業の取引と米国取引を分断する本格的な経済戦争そのものになっている。この100年の米国という覇権国家の姿勢からは中国との共存はイメージしにくい。もし共存の方向に向かうなら、それは米国が事実上覇権を放棄したときだ。過去100年なかった米国の変容が起これば、米中戦争は起こらない。今後も一貫しておおいに覇権を維持する国家であるなら、米中戦争は、経済力はより拮抗へ、軍事力の米国優位から2020年代の早い段階から、アンバランスによる開戦を警戒すべきと考える。中国ではなく米国からの開戦に注意を向けるべき。

2030年代には勝利が難しくなるなら、2020年代前半に勝算が成り立つうちに開戦すべきと、米国軍人の多数幹部の一部が論拠とし、早い段階での作戦を共有すべく討議・行動をしホワイトハウスに頻繁に出入りしているはず。個人的には2020年代に米中開戦は80-90%とイメージしている。日本にとっては悪夢だ。また米国が変容し事実上覇権を諦めても、日本を含む東アジアにとっては大きな試練を迎える。米国の国内問題から目を離してはいけない。日本と世界の将来がかかっている。米国内がこれ以上分断し不安定化して行くことは、世界が地獄と化す前兆として観察していくべき。トランプやバイデンや共和党、民主党の問題ではなく、今、米国市民の混乱度や不安定性こそが重要で、そこから発生する米政権への影響にフォーカスせざるを得ない事態になっている。