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もう半年ほどで、米国の軍事力と経済が、増強するか回復できるかの方向が見えてくる。そのとき、注目すべきは、米国は中国に覇権競争で、本気で打ち勝つ意思が、あるか無いかである。2030年前後に、米中の経済力、軍事力の拮抗を予測をする前に、今年中にも、中国覇権が濃厚と考えられる可能性もある。

 

程度の問題ではあるが、どの国も保守、リベラルなどが混在して政府人事に入り乱れている。米国バイデン政権も同様に、①中国と徹底的に本気で争い、米国覇権を目指す人材と、②覇権競争は現在の形であるが、最終的には中国を排除するのではなく、米中共存の繁栄時代を想定する人材が混在していることは間違いない。しかし米国は実際のところ、今年、経済回復がどの程度できるか?東アジアの米グループの軍事力強化を、どの程度できるかによって、どちらかが失敗すれば、米国は米中覇権競争の選択肢を②グループが政権内で優位になって行き、やがて選択肢がなく、少なくとも、アジア地域における中国の地域覇権が、ここ数年で決定してしまう可能性がある。結果として、新型コロナウイルスは、米中覇権競争の時間を短縮してしまうかもしれない。

 

バイデン政権が誕生して間もない(ここ数ヶ月)最初の重要外交は何があったか?

 

    日米豪印4カ国「クアッド」

    日米安全保障協議委員会(2+2)

    米中アラスカ会談

    日米首脳会談(4月16日予定)

 

上記、バイデン政権誕生後、スピード感を伴って、日米豪印、米中、日米、トップとトップクラスの予想以上に激しい外交がスタートした。

 

    事実上の中国包囲網である、日米豪印の首脳会談をはじめて開催した、歴史的な会合と言える。反中国のはじめての国際会議。

 

    日米はあからさまに、名指しではじめて中国を指摘。

 

 

    中国が直接、米国に対して、はじめて覇権対立を表明した、歴史的な会議。

 

    会談後、共同声明程度はある程度予想がつくが、声明に出ない、対中国の軍事的な日本の役割について、次の段階を見据えて、「覚悟」を示される可能性がある。特に台湾有事の際には、突然の侵略行為に対しては、戦争に加わる覚悟を言い渡される可能性がある。

「もし台湾有事に日本が戦闘行為で協力しなかった場合、台湾侵略後、中国が日本領土に侵攻した場合でも、米国は日本防衛を一部回避する」など、米国は事実上、日本に恫喝をかける可能性がある。「中国が台湾に侵攻したら、日本は参戦せよ」4月16日は、再び日本が戦争に巻き込まれる、可能性のある会談である。この会談における密約や忖度を類推しなければならない。

 

 

以下は③の米中アラスカ会談での中国外交トップの公式発言の要約である。

以下、中国問題グローバル研究所より

 

楊潔篪:

 

    アメリカには上から目線で偉そうに中国にものを言う資格はない。中国はその手には乗らない。中国と交渉したければ、相互尊重の基礎を守れ。

 

    中国の首を絞めようとすれば、結局は自分の首を絞めることになるということを歴史が証明している。われわれが西洋人から受けた苦しみは少なかったとでも言うのか?われわれが外国から包囲された期間は、これでも短かったとでも言うのか?何をされようと中国は立ち直ってきた。

 

 

    中国共産党の指導と中国政治制度は中国人民の支持を得ている。中国の社会制度を改変しようとする如何なる試みも徒労に終わる。

 

    習近平は「米中は衝突せず、対抗せず、互いに尊重し、ウインウインとなるべき協力していこうと」と言い、バイデン大統領も電話会談でそのことに賛同した。このたびの中米ハイレベル戦略対話(=外交トップ会談)は、習近平とバイデンが約束した電話会談の内容を具現化するために挙行されたものだ。 

 

➄アメリカにはアメリカの民主があるだろうが、中国には中国の民主がある。中国は国連を中心とした国際システムの中で全人類共通の価値を追い求めているのであり、アメリカが決める価値観が国際的な価値観だと思うな。アメリカの言い分が国際世論だとも思うな(筆者注:韓国がアメリカとの「2+2」会談で中国を名指しするのを嫌がったことも指しているのだろう)。アメリカが決めた秩序が国際秩序ではなく、国連が決めた秩序が国際秩序だ。

 

⑥アメリカが決めたルールが世界のルールだとは思わない国が地球上には数多くある。

アメリカは常に武力に訴えて世界各地で戦争を引き起こし世界に不安と混乱をもたらしている。世界の秩序を乱しているのはアメリカだ。人権問題に関してもアメリカが抱えている人種差別問題はここ数年の話ではない。アメリカが解決しなければならないのは自国の人権問題であり、先ずは自国の問題を先に解決しろ。自国内の人権問題をごまかすために中国の人権問題に対して目を向けさせ四の五の言うのはお門違いだ。自国をきちんと管理してからものを言え。

 

⑦台湾、香港、新疆(ウイグル)は分割できない中国の領土であり、中国の内政に干渉するようなことは絶対に許さない。

 

以上、

上記、楊潔チは中国外交トップであり、習近平の意思が十分に反映されていると思われる。中国が米中間において、はじめて、中国の姿を現した、歴史的瞬間と考えられる。

まとめると「すでに中国と米国は対等だ。態度をあらためよ」と感情的に表現。このような内容と態度を中国が、かつて米国に強気で、直接、言及ことはあったか?新型コロナ危機は中国に追い風となっていたのだ。

 

反対に米国の昨今、東・東南アジアでの影響力はどうか?昨年、米国が支持した香港の民主派は?現在進行中のミャンマーの鎮圧・虐殺は?中国の意思によって国連も動けず、米国も力がなく、香港もミャンマーも何もできずに見殺しにするしかない状況ではないか、このまま台湾問題に介入の姿勢だが、台湾が侵攻されても、米国はすでに動けず、「香港、ミヤンマー、台湾」と大きく動いたあとは、米国は涼しい顔で、次の地域、次の問題に意識を移行してしまう可能性がある。そして日本も、昨年、香港民主派で日本通の女性リーダーをメディアで繰り返し報道しておきながら、現在、彼女は重犯罪者用の特別刑務所に収監され、いつ解放されるか未定。他の民主派の重要人物も逮捕の嵐。いつのまに日本えも香港の報道がなくなっている。米国も日本も「民主主義と自由」を掲げるが、香港やミヤンマーを見殺しにしているのではないか。香港やミヤンマーは明らかに、民主主義と自由のために、民衆の血が流れている。米国はもとより、日本政府もメディアや国民も、関心が薄く他人事だ。日本人にとって今年、台湾が進攻されても、香港と同程度の反応ではないか?

 

日本は国連中心主義だったが、今や中国が国連の盟主であり、よって香港やミャンマーは、日本は口出しできない(米国すら、あまり口出ししていない空気)日本はすでに中国に、ほとんど口出しできないのかもしれない。そんな日本に、米国は、米中覇権競争の最もハードな、軍事協力をしてもらいたいのが本音である。その第一歩のためにも、バイデン大統領は、最初の首脳会談に「日本」を選んだ。「幕末、日露戦争前、日米開戦前」同様の【亡国の危機】がスタートしたのかもしれない。

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